タイトルが『★「○○」を語る』表記のように、作品名の前に★をつけている場合は、『私とストーリーの好みが近い人は後悔しないと思える作品』という意味です。好きな作品の中でも特にお勧めしたい作品です。気になった方は是非!
作品紹介
今回は、長年漫画を読んできて、まだ新鮮さやここまで好きだと思える作品があったのか、となった生涯で好きな作品上位に居続けるであろう漫画
「青野くんに触りたいから死にたい」(椎名うみ 先生)
を語りたいと思います。
あらすじ
この作品は、主人公・刈谷 優里(かりや ゆうり)ちゃんが同じ学校の青野 龍平(あおの りゅうへい)くんに告白し、付き合うことになったのですが、その2週間後に青野くんは事故死してしまいます。思いつめた優里ちゃんが後を追おうとしたところ、幽霊になった青野くんが戻ってきて止めます。
優里ちゃんは、青野君が幽霊だろうと構わない、一緒に居たいと思い、2人はお付き合いし続けるのですが、青野くんはときどき不穏な行動をとるようになり、それは穏やかに過ごしたい2人を否応にも変えていき__という話です。
★激推しポイント
この漫画は、「民俗学×ホラー×恋愛」という独特な組み合わせになっています。
この3つの要素がそれぞれの観点から見ても面白く、しかもその要素要素が組み合わさっている為、
「面白い×面白い×面白い=最強」になっています。
幽霊の成り立ちを民俗学の観点でロジカルに解き明かしていく様子や、
幽霊(人ならざる者)という存在の恐ろしさ・畏怖や、
再会したけれどもう2度と生きて一緒にはいられない、いずれ離れ離れになってしまうだろう刹那を感じさせる恋がある最強漫画です。
変化していく生きている人間の優里ちゃん、死で時が止まり、だんだんと得体の知れない存在になっていく青野くん。
ただただ一緒に居たいだけなのに、生きているだけで変化は訪れ、変わっていきます。
しかも、この作者の方の表現が唯一で、
人間の残酷さ・類まれなる感情表現が素晴らしく、「生きている人間という存在」を精度高く描写すればする程、その残酷さも際立ち、生きている人間を表現するのが類まれなるほど、人ならざるものに対する恐怖や畏怖も同時に表現されています。
この面白さを表現しきれなくてもどかしいです。
連載中の作品なのですが、物語は終盤に向かっていて既刊10巻(2023年1月現在)と追いつきやすい巻数ですので、ぜひとも読んでみてください。
私と好みが近い方は後悔しないと思います!
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